リウマチ初期症状

関節を守る生活動作の方法
ポイント

●毎日の動作を工夫することで、変形が防げる
●関節に負担をかけない動き方を身につける
●自動具を活用することも有効

変形を予防する方法

生活動作
食事をする、飲み物を飲む、顔を洗う、歯をみがく、髪をとかす、物をもつ、文字を書くなど、日常生活で必要な動作をあげるときりがありませんが、関節はこれらすべてにかかわります。
そのため関節リウマチの人は、生活のおりおりに、関節を守る動作を意識することが大切になります。関節にかかる負担を少なくすることで、痛みが軽くなり、変形を防ぐことができます。

●すわる

椅子
関節リウマチの人には、イスにすわる生活が適しています。イスは、座面がかたく、あまり深くないものにします。高さは、すわって足を床につけたとき、ひざが90度程度になるのがよいでしょう。 すわるときは、イスの背まで腰を入れ背筋を伸ばします。こうすることで、脊椎の負担を少なくできます。

●もつ

①荷物をもつときは、小さな関節より大きな関節を使うようにします。軽い荷物は、ひじにかけるか、あるいは手先ではなく手のひらを使い両手でもつようにします。少し重い荷物は、リュックサックのような両肩にかけられるもの、あるいはキャスターつきのカートに入れて運ぶと、手の関節にかかる負担が避けられます。
②茶わんやカップなどは、指先でもたず、片方の手のひらで受けながら、両手でもつようにします。手首を小指側に曲げないようにするなど、関節に無理のかからない動かし方を工夫し、習慣づけるようにしましょう。
③指ではさんだり、つまんだりする動作は、指先に負担をかけるため避けましょう。しかし、ペン、スプーン、フォークなどは細くて、つまむことがむずかしいものです。このような場合は、太くする自助具 (フォームラバーなど)を使うと、にぎりやすくなります。

●しぼる

タオルやぞうきんをしぼる動作は、関節の変形を促進させてしまいます。しぼるときは、何かに押しっけるか、水道の蛇口にかけてしぼるとよいでしょう。また、ふくときも、関節を守るために手首を曲げず、伸ばしたまま行うようにします。
※ほかにも、変形を促進させやすい動作があります
折り紙⇒一万向に押す力が、指の変形をうながします。長時間つづけることは避けましょう。
パソコン⇒マウスを長時間もちつづけると、尺側偏位を起こしやすいといわれます。
ビンのふたを開ける動作⇒尺側偏位をうながすといわれます。自助具を使うなどの工夫をしましょう。

生活動作を助ける自助具

リーチャー
生活動作を助ける自助具も、いろいろあるので、じょうずに活用するとよいでしょう。それも、不自由だから使うのではなく、関節を守り変形を予防するという、前向きな目的をもって利用しましょう。
リーチャー(物をつかむ自助具)は、可動域を補い、手のかわりになって活躍してくれる道具です。いつでも使えるよう、身近にひとつ備えておくと、いろいろな場面で助かります。また、台所の作業や食事には、指先を使う動作が多く、関節に負担がかかります。レバーハンドル式の水道栓、水道栓回し、ガスのつまみ栓ひねり、自助スプーンやフォークなど、さまざまなものがあります。
さらに、見回してみれば、自助具とうたっていなくても役に立ちそうな道具はたくさんあります。使い勝手のよい、自分に合いそうなものを試してみるをおすすめします。たとえ関節リウマチであっても、生活を工夫し楽しむ気持ちは大切になります。それは、病気にもよい影響を与えます。

衣服は負担の少ないものを…

衣服を脱ぎ着するときは、指先からひじ、首、ひざ、足首まで、体中の関節を、無意識のうちに深く曲げたり、ねじったりします。
健康なときは、なんでもない動作ですが、関節リウマチの人にとっては、大きな負担になります。毎日のことなので、できるだけ負担を軽くする工夫をしましょう。
ブラウスやセーターは、かぶるタイプのものより前が開くものを、リーチャーを使って着るほうがラクです。ボタンなどの留め具はなるべく少なくし、マジックテープにしたり、ファスナーにはリングやひもをつけるなど、着やすくする工夫をしましょう。