リウマチ初期症状

関節リウマチの症状・小さな関節(手指・足)

ポイント

●手や足の指は構造が簡単で、骨のずれが起こりやすい
●手指だけでなく、手首も初期からおかされやすい
●足指のつけ根の病変は、関節リウマチの特徴

手の指から症状が始まるケースが多い

手指の関節
手の関節は、関節リウマチの初めからおかされやすいところです。
手には指関節と手首の関節がありますが、特に指の第2、第3関節は、リウマチ患者のほぼ全員に病変が起こるといっていいほどの部分です。
手指の関節は、親指を除き、それぞれ3個の関節があり、医学的には、先のほうから第1関節は「DIP」(遠位指節間関節)、第2関節は「PIP」(近位指節間関節)、第3関節は「MCP」(中手指節関節)といいます。むずかしい専門用語ですが、医師からの説明を受けるときに必要になるので、知っておくといいでしょう。手指の関節は、骨と骨とが向かい合い、関節包がつないでいるだけのシンプルな構造になっています。そのため関節のはれが長くつづくと関節包がゆるみ、骨と骨は簡単にずれてしまいます。そうして関節リウマチ特有の変形が起こります。
次は手首です。前腕の2本の骨(橈骨と尺骨)の端と、手根骨の間にある、橈骨手根関節も初期からおかされやすいところです。手首の関節は、ものをつかんだりもったりするとき、手指の働きの要となる重要な部分ですので、ここが障害されると手を使うときに大きな支障が出てきます。

足の指つけ根の病変

足も、手と同じように、初期から病変があらわれやすいところです。特に、指のつけ根の関節(MTP関節)のはれです。朝起き上がって歩きだすとき、足の裏に砂利道を踏むような不快な痛みを感じます。関節リウマチの特徴的な症状で、ほかの関節炎ではあまりみられません。
足の指は、手指と同じように構造が簡単なため、骨と骨がずれやすいといえます。足の平面関節の部分は小さな骨が集まり、モザイクのような複雑な構造です。この小さく複雑な関節に全体垂がかかるため、最初はちょっと指が曲がった程度でも、歩く動作が変形を加速させてしまいます。外反母趾槌指(親指以外の4本の指先が曲がり浮いたようになる)、重複指(指が重なり合ってしまう)、強い痛みをともなう足底のがんこなタコといった変形があらわれ、はける靴がなくなったり歩行が困難になる、やっかいな症状です。

足指の変形・症状