リウマチ初期症状

病変の段階について

ポイント

●関節の変形は、発病後1~2年で始まる
●まず軟骨がおかされ、骨へと進む
●末期には骨と骨がくっついて、関節の機能を失う

治療をしないと関節は徐々に破壊されていく

リウマチ・関節破壊
関節リウマチでは、滑脱に炎症が起こっても、いきなり関節が破壊されたり、変形したりするわけではありません。
関節に傷がつくのは、大体のところ、発病後1~2年で始まるといわれています。それが積み重なって5~10年で変形が起こりますので、変形が起こる前の早期に病気を見つけ、治療することが非常に重要になります。治療をしないと、滑膜の炎症はじわじわと、着実にまわりの組織を破壊し、そうなるともう元には戻せないからです。
滑膜炎が起こった関節の変化を整理すると、次の4段階になります。

■ステージ1・初期

炎症によって滑膜の細胞が増殖し、表面が絨毛状になります。関節液もたまり始めます。たまった関節液がカルシウム分を奪い、骨は「す」が入ったようになり、関節炎の部位は骨粗鬆症になります。ただし、軟骨や骨の破壊はまだありません。

症状

関節の紡錘状のはれ、こわぼりや痛み、熱っぽさがあります。

■ステージ2・進行期

滑膜細胞の増殖によって形成された肉芽が、軟骨にとりつきます。肉芽は軟骨をおおうように広がって、パンヌスという膜状の組織をつくり、軟骨を破壊します。パンヌスとは「一枚の布」という意味です。肉芽の一部は骨にまで侵入し、骨の組織を侵食して嚢胞(袋状のもの)を形成します。ただし、まだ変形するほどではありません。

■ステージ3・高度期

軟骨が失われ、関節を動かすと骨と骨が直接こすれ合うようになります。また、骨の表面が欠けること(骨びらん)もあります。骨の破壊がさらに進むと、関節がうまくかみ合わなくなり、脱臼や亜脱臼が起こることもあります。関節の動きが悪くなり、まわりの腱や筋肉の伸縮も悪化して、関節を支えることができず、関節の変形が起こります。

症状

関節がきしむ音をたてたり、痛みのために曲げ伸ばしができなくなります。

■ステージ4・末期・荒廃期

パンヌスが線維化してかたくなり、骨と骨がくっついて1つの骨のようになることがあります。これが「強直」で、関節はまったく動かせなくなります。あるいは骨がとけて、骨と骨が離れ、ぶらぶらと不安定になることもあります(ムチランス変形)。いずれにしても、関節としての機能は完全に果たせなくなります。

症状

ここまで来ると、痛みはやわらいでくるようです。