リウマチ初期症状

尿検査

ポイント

●尿検査でほかの病気を鑑別する
●腎臓に起こる合併症を早期にみつける
●薬の副作用による腎障害を定期的に検査する

尿に出る成分や固形成分を調べる

尿検査
私たちの体内では、必要なものがつくられる一方、そのあとにはゴミ(老廃物)も出てきます。老廃物は血液に乗って腎臓に運ばれ、糸球体というフィルターにかけられて最後に尿として捨てられます。
この尿に含まれている物質の量が変化したり、ふだんは含まれない物質があらわれたりするのを調べると、体のどこで異変が起こっているか知ることができます。
特に腎臓の状態を調べるためには、尿検査が重要です。尿検査は、関節リウマチが進行したときに起こる腎アミロイドーシスの合併や、ほかの病気との鑑別に必要になることがあります。また、薬の副作用をチェックするためには、血液の生化学検査とともに、定期的な尿検査が欠かせません。

●尿たんぱくで腎障害を調べる

糸球体は、大きな物質を通さないため、たんぱく質の分子は通過できません。健康な尿にたんぱく質が少ないのはそのためですが、腎臓に障害が起こって糸球体が傷ついたりすると、尿にたんぱく質が出るようになります。
尿たんばくの量をはかる検査は、腎障害の状態をみて、病気の有無や種類を調べるのに有効です。


①関節リウマチと全身性エリテマトーデスは、初期症状ではまざらわしい場合があります。そこで尿検査をしてみると、関節リウマチでは正常ですが、全身性エリテマトーデスでは初診のときから尿たんぱくがみられることが多いため、両者の鑑別に役立ちます。
②痛風では、尿の中にたんぱくや尿酸が出てきます。関節リウマチと痛風との鑑別には、まず血液検査で血清尿酸値をはかる必要がありますが、補完的に尿検査が行われる場合があります。
③関節リウマチに合併する腎アミロイドーシスなどを早期に発見するために、尿たんぱく検査は不可欠です。

国形成分から副作用をみる

尿を容器に入れ、遠心分離器にかけると、固形成分がたまります。尿の固形成分とは、赤血球、白血球、円柱細胞、上皮細胞、結晶(尿酸)などです。この固形成分を顕微鏡で見て、どのような物質がどれくらい含まれているかを調べるのが尿沈液です。
尿たんぱくが陽性の人には、尿沈渣を必ず行います。尿の固形成分の量が多くなると、薬の副作用による腎障害が疑われます。特に尿に赤血球や円柱細胞が多くなると、腎炎が活動性であることを意味します。