血液検査(自己抗体・リウマトイド因子)
●診断を確定するために重要な自己抗体検査
●関節リウマチでは「リウマイド因子」を調べる
●より精度が高い「抗CCP抗体検査」が保険適用になる
リウマイド因子の検査
●リウマチ反応は重要な診断基準
自己抗体にはいくつもの種類があり、病気によってあらわれやすい抗体には違いがありますが、関節リウマチの場合は「リウマトイド因子」を調べます。検査は、リウマトイド因子があるかどうかの反応(陽性反応)をみるものなので、「リウマチ反応」とも呼ばれます。リウマトイド因子をはかる方法はいくつかありますが、RAテストが一般的です。RAテストの数値が20以上になると陽性とされます。
自己抗体検査は、病名を確定するために重要です。しかし、関節リウマチの早期では50%の人しかリウマチ反応が陽性にならず、すべての経過を通してみても、陽性になる人は70~80%です。つまり、関節リウマチであっても陰性の場合があるため、これだけでは関節リウマチと確定できません。
●陽性でもリウマチとは限らない
またリウマトイド因子は、関節リウマチではなくても陽性になることがあります。膠原病では、全身性エリテマトーデスの人の約20~30%は陽性になるとされますし、シェーグレン症候群では70%の人が陽性になるという報告もあります。
膠原病以外の病気でも、肝硬変や結核があると陽性になることがあります。また健康な人でも、若い人で2~4%が、60才以上になると10~20%が陽性になります。
●病気の活動性と連動
ただし、リウマトイド因子の値と、関節リウマチの活動性には、ある程度の連動性があります。リウマチ反応が陽性で、その値が高い人ほど病気の期間が良く、関節の破壊も進む傾向があります。また、リウマチ結節や胸膜炎、肺線維症など、関節以外の症状も多くみられます。
抗CCP抗体検査について
この抗体検査を行えば、関節リウマチがまだ発症していない早期や、関節のはれが少ない、リウマトイド因子は陰性だが関節リウマチの可能性が高い、といったむずかしいケースの診断が可能になります。2007年から保険が適用になったことで、今後は広く利用されるようになると思われます。