関節液検査
●炎症が起こるた、関節液は量が増え、濁る
量が増えるため薄まり、粘りけがなくなる
●関節液でもリウマイド因子などがみつかる
炎症が起こった関節液について
関節液の中には、滑膜の毛細血管を通りぬけてきた 血清成分と、 ヒアルロン酸(酸性ムコ多糖類)がまじり合っています。色は無色、あるいは淡黄色を帯びて、透明です。
ヒアルロン酸は納豆のネバネバのような物質で、関節液に粘りを与え、骨と骨とがこすれ合ってもきしまず、
スムーズに動かすための潤滑油のような働きをしています。また関節液には、軟骨に栄養を供給する役割もあります。この関節液を、静脈注射用の細い針をさして採取(穿刺) し、肉眼と顕微鏡の両面から調べることがあります。
●量、透明度、色をみる
①量は、炎症が起こると増えます。滑膜から血液の成分がしみ出るためです。通常は1mℓ程度ですが、ひざなどの大きな関節では50mℓほどになることもあります。
②色は、本来は無色透明ですが、炎症や化膿があると、乳白色、または緑がかった黄色になり、濁ってきます。
●粘りけを調べる
健康な関節液を指にのせ、こすり合わせてみると、糸を引きます。関節液は、それほど粘りけのあるものなのですが、炎症が起こると、この粘りけがなくなります。
関節液が増えてヒアルロン酸が薄まったり、関節液に含まれている酵素がヒアルロン酸の成分を分解してしまうからです。
この現象は関節リウマチ特有のものではなく、関節炎では広くみられます。ただし、関節液の中に細菌がいるか、また結晶があるかどうかを調べ、炎症が細菌によるものか、結晶によるものか(痛風や偽痛風)を区別するには重要な検査です。
●免疫細胞の検査
関節リウマチになると、関節液の中にも免疫細胞が増えます。リウマトイド因子、免疫複合体(抗原と抗体が結合したもの)と補体(抗体を助けるたんぱく質。炎症にかかわる) が結合したもの、これらを食べてとり込む好中球、マクロファージなどです。
また好中球が増えるため、白血球の数値も、正常値の500倍にも達することがあります。一方、自己免疫反応で消費されるため、関節液の補体は、血液中と比べていちじるしく減ります。