リウマチ初期症状

関節リウマチのリハビリ(作業療法)
ポイント

●主に手や指先の機能回復が目的
●作業メ二ユーは、趣味としてできるものが多い
●友人ができたり、行動範囲が広がる事が期待できる

作業療法は日常動作の訓練につながる

作業療法・習字
関節リウマチのために、料理、洗濯、針仕事などの家事が不自由になったり、服の脱ぎ着、洗顔、髪の手入れといった日常動作の一つ一つが思うようにできなくなったとき、女性の患者さんは男性以上に、こういった生活の不自由さが精神的に落ち込む要因になるようです。作業療法は、病気によって不自由になった日常動作を改善するため、主に手や指先の機能回復を目的に行うリハビリです。
作業療法を行うときは、まず医師が患者さんの日常動作を診断し、それにもとづいて、作業療法士がその人に合った作業を指導します。指導は、病院や地域の医療センターで受けられます。
作業療法のメニューは、編み物やパッチワークなどの手芸、粘上細工、絵画、書道、パソコン、点字など、趣味的なものが中心になります。どれも指先のこまかな動きを要求される作業ですので、手や指の機能回復に役立つだけでなく、いまある機能が低下しないようにするためにも有効です。
また作業療法は、「楽しみながらできる」のもよい点です。最初のうちは指先の動きがスムーズにいかず、もどかしく感じることもあるでしょう。しかしつづけていくうちに、トレーニングをした絵画なり書道なりが、かけがえのない生きがいになることもあります。
パソコン技能などは、身につけておくと職業訓練につながる場合もあります。さらに、いっしょに訓練を受ける患者さんどうしで、人間的なふれ合いをはかることもできます。関節リウマチの患者さんの中には、あまり外出せず、家に引きこもるようになる人がいます。こういった人にとって作業療法は、人間関係や行動範囲を広げる絶好の機会にもなります。

作業療法を行う上での注意点

作業療法は楽しみながらできますので、痛みもわすれ、つい夢中になりがちです。次のようなことには、気を配るようにしましょう。

●負担の少ないメニューを選ぶ

メニューを選ぶときは、手や指の関節にあまり負担をかけない作業がよいでしょう。ちぎり絵、絵手紙、ビーズ細工、編み物、刺繍など、あつかう材質がやわらかで軽いもののほうが通しています。ただし、こういったものでも長時間つづければ、関節に負担がかかりますので注意が必要です。

●合間に休憩を入れる

長い間、同じ姿勢をつづけると、関節のこわばりや痛みが増します。30分に一度は、深呼吸をしたり背筋を伸ばして、体の緊張をほぐすようにしましょう。また翌日に疲れを残さないように、少しもの足りない程度で作業を切り上げることも大切です。

●装具などを活用する

下を向いて行う作業は、頸椎への負担がかかります。頸椎カラーをつける、作業台を高くする、といった工夫をして負担を少なくしましょう。
また手先の作業を行うときは、手や指の変形への注意が必要です。スプリントなどの装具をつけたり、手に合った道具を使うなどの工夫をしましょう。