関節リウマチの症状(ひざ・肩・ひじ・頸椎)
●日本人は、ひざがおかされやすい
●初期は少ないが、数年たつと増える股関節の破壊
●頸椎の病変は、生命にかかわることもあるので注意が必要
日本人は「ひざ」に病変があらわれやすい
ひざの関節は、立つ、座る、歩くなど、日常生活のさまざまな動作にかかわる重要な働きをする、体の中ではもっとも大きな関節です。
太ももの側の大腿骨、その前のひざ小僧の皿の部分である膝蓋骨、すねの側の脛骨からなっています。
関節リウマチの病変は小さな関節から始まることが多いですが、ときには、いきなり、ひざのような大きな関節から始まることがあります。日本人はひざがおかされやすく、手指・手首についで、罹患率の高い部分です。ひざ関節の滑膜に炎症が起こると、関節液が大量にたまり(関節水腫)、ひざ全体がはれあがります。さらに軟骨がおかされると、動かすたびに激痛が走るようになります。
また関節ばかりでなく、ひざの周囲の組織にも影響が出てきます。筋肉の力が衰えたり、靭帯の断裂などもあり、立ち居や歩行がますます困難になっていきます。手指ほど目立ちませんが、ひざ関節にも変形は起こります。ひざ関節にも変形には次のようなタイプがあります。
太ももの側の大腿骨、その前のひざ小僧の皿の部分である膝蓋骨、すねの側の脛骨からなっています。
関節リウマチの病変は小さな関節から始まることが多いですが、ときには、いきなり、ひざのような大きな関節から始まることがあります。日本人はひざがおかされやすく、手指・手首についで、罹患率の高い部分です。ひざ関節の滑膜に炎症が起こると、関節液が大量にたまり(関節水腫)、ひざ全体がはれあがります。さらに軟骨がおかされると、動かすたびに激痛が走るようになります。
また関節ばかりでなく、ひざの周囲の組織にも影響が出てきます。筋肉の力が衰えたり、靭帯の断裂などもあり、立ち居や歩行がますます困難になっていきます。手指ほど目立ちませんが、ひざ関節にも変形は起こります。ひざ関節にも変形には次のようなタイプがあります。
●内反膝
ひざの内側が破壊されると、外側へと変形します。片側だけのこともありますが、左右両方のひざに出ると、O脚になります。
●外反膝
内反膝とは逆に、膝関節の外側が破壊されると、内側へと変形します。左右のひざが破壊されると、X脚になります。
●波形膝
足をそろえて立つと、両方のひざが左右のどちらか一方に向いてしまう変形です。内外反膝ともいいます。
「股関節」の破壊について
股関節は、体幹と下肢をつなぐ関節で、太もも側の大腿骨頭と、それとかみ合う骨盤側の臼のような寛骨臼からなっています。
球関節で、運動の種類が多く、あらゆる方向に動きます。股関節の障害は、関節リウマチの初期は少ないですが、病気が始まって3~10年ほどの間に、15~40%の人に起こるとされています。
関節リウマチの股関節障害は、2種類に分けられます。ひとつは、滑膜の炎症によって関節破壊が進む場合です。もうひとつは、ステロイド薬治療の副作用、あるいは血管炎によって、大腿骨頭壊死が起こる場合です。
股関節は、いったん破壊が始まると進行が速く、強い痛みが出ます。この関節は、日常のさまざまな動作で力が加わるところで運動範囲も広いため、おかされると歩行はもちろ
んのこと、体全体の動きが不自由になります。悪化すると、寝たきりの原因になることもあります。
球関節で、運動の種類が多く、あらゆる方向に動きます。股関節の障害は、関節リウマチの初期は少ないですが、病気が始まって3~10年ほどの間に、15~40%の人に起こるとされています。
関節リウマチの股関節障害は、2種類に分けられます。ひとつは、滑膜の炎症によって関節破壊が進む場合です。もうひとつは、ステロイド薬治療の副作用、あるいは血管炎によって、大腿骨頭壊死が起こる場合です。
股関節は、いったん破壊が始まると進行が速く、強い痛みが出ます。この関節は、日常のさまざまな動作で力が加わるところで運動範囲も広いため、おかされると歩行はもちろ
んのこと、体全体の動きが不自由になります。悪化すると、寝たきりの原因になることもあります。
「肩」「ひじ」の変形
肩の関節は、手指や手首についで、関節リウマチにおかされやすいところです。肩甲骨と上腕骨で構成されていて、あらゆる方向に動かすことが可能な、人体でもっとも可動域の広い関節です。
肩関節に滑膜炎が起こると、周囲の組織にも影響し、関節を動かす筋肉と骨をつなぐ腱が薄くなっていきます。初期は、肩が痛んだり腕が上げにくいといった五十肩のような症状があらわれます。骨の破壊が進むと、腕が上がらなくなっていきます。
ひじの関節は、椀橈関節、腕尺関節、上槙尺関節の3種類の関節が、共通の関節包に包まれて構成されています。ここに炎症が起こり長くつづくと、骨と骨がずれやすくなり、また関節包やまわりの組織もゆるんできます。そのため、関節はまわりの筋肉に引つぼられて曲がっていきます。いったんこの変形が起こると、曲がる方向に力が働き、ついにはひじが曲がったまま伸びなくなることもあります。
肩やひじの関節症状がつづくと、上半身の運動能力が制限され、洗髪、洗顔、服の脱ぎ着などの生活動作が不自由になります。
肩関節に滑膜炎が起こると、周囲の組織にも影響し、関節を動かす筋肉と骨をつなぐ腱が薄くなっていきます。初期は、肩が痛んだり腕が上げにくいといった五十肩のような症状があらわれます。骨の破壊が進むと、腕が上がらなくなっていきます。
ひじの関節は、椀橈関節、腕尺関節、上槙尺関節の3種類の関節が、共通の関節包に包まれて構成されています。ここに炎症が起こり長くつづくと、骨と骨がずれやすくなり、また関節包やまわりの組織もゆるんできます。そのため、関節はまわりの筋肉に引つぼられて曲がっていきます。いったんこの変形が起こると、曲がる方向に力が働き、ついにはひじが曲がったまま伸びなくなることもあります。
肩やひじの関節症状がつづくと、上半身の運動能力が制限され、洗髪、洗顔、服の脱ぎ着などの生活動作が不自由になります。
「頸椎」の障害について
このような病変が起こると、初めは、後頭部が痛む、雑音が聞こえるなどの症状があらわれます。さらに進むと、神経が圧迫され、しびれ感や脱力感があらわれます。
たとえば、手足の変形は変わらないのに、以前はできた動作ができなくなったり、食事のときにスプーンや箸が使いにくくなったら、背景に頸椎の障害がひそんでいないか、確かめたほうがよいでしょう。
特に延髄(呼吸などにかかわる脳)が圧迫されると、生命にかかわることもありますので、早く気づいて対処する必要があります。