リウマチ初期症状

関節リウマチの症状・手指の変形

ポイント

●独特な指の変形は、[患者の顔と]いわれる
●変形によって「つまむ」「握る」などの動作が不自由になる
●序々に進む変形は、慣れるため、不便を感じない場合もある

一度変形するとそのままの形で固まる指

手の指の病変は、最初はこわばりや、はれとなってあらわれますが、病気が進むにつれ特有の変形が起こってきます。変形した指はひと目で関節リウマチとわかる独特な形で、「リウマチの手は、リウマチ患者の顔である」といわれています。

●尺側偏位

尺側偏位写真
親指を除く4本の指の、つけ根の関節がずれたり亜脱臼を起こし、指が外側(小指側)に曲がってしまいます。進行が遅いため、患者さんは徐々に慣れていき、機能障害はあまり感じないようです。

●ボタン穴変形(ボタン・ホール変形)

ボタン穴変形写真
指の第2関節の炎症がつづくと、指の背側の関節包が引き伸ばされ、腱が裂けて、骨が飛び出ます。そのため、第2関節は出っぼって内側へ曲がり、第1関節は外側へそって、ボタン穴のような形になります。

●スワン・ネック変形(白鳥の首変形)

スワン・ネック変形写真
第3関節の炎症がつづくと、指を伸ばす「すじ」が手のひら側にずり落ち、第3関節が曲がり、第2関節がそり、指先の第1関節は曲がって、形が白鳥の首のようになります。

●Z字変形

親指に起こる変形です。第1関節が曲がり、ヒッチハイクをするときのような形になります。ものをつまむ動作が不自由になります。

●ムチランス変形

ムチランス変形写真
骨が破壊されてとけ、指が短くなります。また、筋肉や皮膚がたるんで指に力が入らなくなります。指を引っぼると、オペラグラスのように伸びちぢみするため、オペラグラス変形とも呼ばれます。

サイトカイン破骨細胞を活性化する

関節リウマチは、進行すると骨が破壊される病気です。病気の本体は滑膜にあるのに、なぜ骨まで破壊されるのでしょうか。これには、滑膜の炎症によって大量に生まれる、炎症性サイトカインがかかわります。
骨は本来、骨を削りとる破骨細胞と、骨をつくる造骨細胞とがバランスよく働き、骨形成と骨吸収(骨破壊)をくり返しながら、新旧を入れかえることで質を維持しています。しかし炎症性サイトカインは、破骨細胞だけを活性化してしまうので、形成と吸収のバランスがくずれ、破壊だけが進んでしまいます。