リウマチ初期症状

関節リウマチの治療方法
ポイント

●関節リウマチの治療には4つの療法が必要
●治療の目標は、寛解に導き維持すること
●患者さんの積極的な取組みが治療効果を上げる

状況や症状等に応じて、4つ療法を組み合せる

4つの基本的な治療法
関節リウマチの治療法について、これから詳しくみていきますが、まず治療が目標とするところについて考えてみます。関節リウマチは、「完全に治る」こと(医学的には治癒といいます)が目標とはなりません。原因となる細菌をやっつければ、あるいは悪い部分をとり除けば、それで回復できる病気ではないからです。
それでも、治療がうまくいけば「治ったように症状が治まる」状態(寛力し解といいます) に導くことはできますし、それを維持していくことも可能です。治療の目標は、ここにあります。
この目標をかなえるためには、病気の進行状態や症状に合わせ、4つの基本的な治療法を組み合わせていく必要があります。
※次の4つの治療法は、どれが欠けてもうまくいきません。

●薬物療法

(病気に働きかけ関節破壊を防いだり、炎症や痛みを抑える)

●手術療法

(失われた機能を回復させる)

●リハビリテーション療法

(関節を保護し、機能を維持する)

●基礎療法

(患者さんが病気を理解し、治療にとり組む)

患者さんの積極性が治療効果に影響する

患者さんの積極性が重要
4つの治療法のうち、基礎療法は患者さん自身がとり組むものです。関節リウマチは、10年、20年、あるいは患者さんの生涯にわたって、大変長い経過を経る病気です。その時間の長さを考え、気が遠くなるような思いにかられることがあるかもしれません。治癒はむずかしいと聞けば、落ち込んだり、ゆううつになることもあると思います。しかし関節リウマチは、患者さんが治療に対して前向きになり、積極的にとり組めるかどうかが、効果に大きく影響する病気です。
薬をのむにしても、「なぜ、どのような目的で、この薬が必要なのか」「どんな副作用に気をつけるか」といったことを認識している場合と、「医師にいわれたから」と漫然とのむ場合とでは、服用への真剣度が違ってきます。
薬をのみたくないという気持ちはだれにでもありますし、うっかりのみ忘れてしまうこともあるでしょう。不快な症状があるのは薬のためではないかと、のむのをやめてしまうこともあるかもしれません。しかし関節リウマチの薬は、のんだりのまなかったりでは、効果は期待できませんし、かえって病状が悪くなることもあります。
このような場合、薬について正しく理解していれば服用にも真剣になれますし、副作用などの問題が起こったときは、医師に相談できます。関節リウマチは、医師だけでよくすることはできません。
患者さんが医師を信頼し、治療に積極的にとり組むことがポイントになります。また基礎療法には、ストレスをためず安定した精神状態を保つことや、食事、睡眠、体調管理など生活全般がかかわります。

治療の基本となる4つの治療方法

薬物療去

病気の根幹に働きかける抗リウマチ痛みに作用する抗炎症薬

手術療法

①滑膜切除術②機能再建術

リハビリテーション療法

関節の可動域を確保したり増やしたり、筋力をつけるトレーニング

基礎療法

患者さんの病気への理解、日常生活の管理