リウマチ初期症状

血液検査(生化学検査)

ポイント

●血清には内臓の機能を反映する物質がある
●血清中のたんばく質から、関節リウマチの進行度がはかれる
●腎機能や肝機能検査で、薬の副作用をチェックする

内臓の機能を反映する物質の変化を調べる

アルブミン
血液中には、肝臓や腎臓の機能を反映する物質があります。その変動をみて、関節リウマチがあるか、薬の副作用による異常がないか、などを調べます。
血清は、血液を遠心分離器にかけて血球や血小板などの細胞成分を除き、さらに、上のほうにたまる液体成分(血漿)からフィプリン(線維素)を除いたものです。
この血清に含まれる物質の種類や量を調べるのが「 生化学検査」です。血清には、栄養素やその老廃物、代謝などの仲立ちをする酵素、電解質、色素、ホルモンなどが含まれていて、これらが肝臓や腎臓の機能を反映します。

●血清たんぱく

血清の中にあるたんぱく質は、アルブミンとグロブリンに大別されます。関節リウマチの自己抗体であるリウマトイド因子は、グロブリンに含まれていて、そのような成分を免疫グロブリン(IgG)といいます。
正常なとき、血清中のたんばく質の半分以上はアルブミンで占められています。しかし関節リウマチが進行すると、アルブミンの量は変わらないものの、グロブリンが増えるため、比率が逆転します。この血清たんばく質の、アルブミンとグロブリンの割合を調べることで、関節リウマチがあるかどうかであったり、進行度がはかれます。

●AST、AKT

AST(GOT)とALT(GPT)はどちらも肝臓の中にある酵素で健康なときは、血液中にはわずかしか存在しません。しかし肝機能が落ちたり、肝臓で炎症が起こると増加します。
関節リウマチの治療薬の中には、肝機能障害の副作用を起こすものがあるため、ASTとALTの値は定期的にチェックする必要があります。
【正常値】ASTは10~40IU、ALTは5~40IU

●血清クレアチ二ン

腎機能をみるための検査です。クレアチニンとは、筋肉を動かすためにたんばく質を利用したあとに生まれる老廃物で、尿に吸収されて、腎臓から体外に捨てられます。腎機能が低下すると、腎臓のフィルターの働きが落ちて捨てられる量が減り、血液中の値が高くなります。
薬の副作用で腎機能が低下することがあるため、肝機能と同じように定期的なチェックが必要です。
【正常値】男性は0.8~1.2mg/㎗、女性は0.6~0.9mg/㎗