関節リウマチの原因
●決定的な原因は、いまだに不明
●異常な自己免疫反応が原因する
●遺伝、感染、ストレスなどもリスク因子になる
少しずつ原因がわかってきています
関節リウマチは、進行性のやっかいな病気というイメージがつきまとうため、「なぜ、そんな病気に」という思いから、つい原因探しをしてしまうのかもしれません。関節リウマチの原因について、明快な答えはいまだに出ていません。
たとえば感染症のように、原因となる細菌をつきとめればよい、といった病気ではないのが理由です。ただし研究が進み、少しずつ原因がわかってきています。それを以下に紹介していきます。
異常な自己免疫反応が原因に
免疫とは、本来は自分を守るために体に備わっているシステムです。このシステムがあるおかげで、私たちは、糊菌やウイルスなどが外部から侵入してきても、それを攻撃・排除して病気にならないようにできます。
外から入ってくる外敵は「抗原」、それを攻撃し排除する物質は「抗体」と呼ばれます。抗体は白血球でつくられ、血液や体液中に存在しています。おかしなものがあると自分のものではない異物かどうかを見きわめ、異物だけを排除するよう働きます。
しかし、間違って自分の体を形づくっている細胞や成分を異物とみなして、それに反応する抗体(自己抗体)やリンパ球(自己反応性リンパ球)ができてしまうことがあります。こうなると、自分で自分の体の成分を攻撃したり、排除するようになり、その結果さまざまな病気が起こるようになります。これが自己免疫疾患で、関節リウマチをはじめ膠原病グループの病気はみな、自己免疫による病気です。ではどうしてこのような異常な免疫反応が起こってしまうのでしょう。それには、以下のようなリスク因子がかかわるとされます。
外から入ってくる外敵は「抗原」、それを攻撃し排除する物質は「抗体」と呼ばれます。抗体は白血球でつくられ、血液や体液中に存在しています。おかしなものがあると自分のものではない異物かどうかを見きわめ、異物だけを排除するよう働きます。
しかし、間違って自分の体を形づくっている細胞や成分を異物とみなして、それに反応する抗体(自己抗体)やリンパ球(自己反応性リンパ球)ができてしまうことがあります。こうなると、自分で自分の体の成分を攻撃したり、排除するようになり、その結果さまざまな病気が起こるようになります。これが自己免疫疾患で、関節リウマチをはじめ膠原病グループの病気はみな、自己免疫による病気です。ではどうしてこのような異常な免疫反応が起こってしまうのでしょう。それには、以下のようなリスク因子がかかわるとされます。
リスク要因が複雑にからみ合う
免疫にトラブルを起こすものとして、いくつかのリスクがあげられていますが、これらが複雑にからまりあって発病すると考えられています。
遺伝
関節リウマチは、血友病のような遺伝性の病気ではないですが、遺伝とまったく無関係ともいえません。なりやすい体質や素因を受け継ぐことがあります。ただし、同じ遺伝子をもつ一卵性双生児をみると、一人が関節リウマチになっても、もう一人が同じ病気になる確率は24%程度です。たとえ関節リウマチの遺伝子をもっていたとしても、4人に3人は発病しない計算になります。
感染
ある種のウイルスに感染すると、抗体をつくるリンパ球の活動が活発になると考えられています。
女性ホルモン
女性ホルモンは、自己抗体の働きや、免疫反応を促す物質(サイトカイン)を活性化させ
やすいと考えられています。
薬物や化学物質
体内に入った物質が体の成分と結合し、その成分が変化すると、自分の成分なのに異物として認識されてしまい、自己免疫反応が起こることがあります。
ストレス
精神的なストレスだけでなく、外傷や外科的手術、妊娠・出産などの身体的ストレスも、自己免疫反応のリスク因子になる場合があります。